
理学療法士×プロ格闘家が考える「反り腰改善法」
「腰が反っている感じがする」「立っていると腰が痛くなる」——こんなお悩みはありませんか? 実は、多くの方が無意識のうちに 反り腰 の状態になっています。放っておくと腰痛や姿勢の崩れにつながることも…

「なぜ反り腰になってしまうのか?」――その答えは
腰椎の過前弯 と 骨盤の前傾 にあります。
これが続くと、腰痛だけでなく、お腹がポッコリ出たり、太ももの前側が張りやすくなったりと、見た目にも悪影響が出るかと思います。

今回の記事では、 正しいトレーニングで骨盤と腰椎のバランスを整え、美しくしなやかな姿勢を取り戻すために必要な情報を皆様にお届けします。

まずは反り腰の原因について解説していきます。
今回は上記の二つの原因のうち「腰椎の過前弯」について一緒に考えていきたいと思います。
腰椎の過前弯の原因
腰椎の過前弯(かぜんわん)とは、腰の反りが強くなりすぎた状態 のことを指します。
これにより、腰に過剰な負担がかかり、腰痛や姿勢の崩れの原因になります。
腰部は正常な方でも適度に前弯(前に反った状態)ではあるのですが、この前弯が強くなりすぎると腰痛を始めとした様々な問題を引き起こしてしまいます。

左が正常、右が過前弯の状態です。
腰椎が過前弯してしまう主な原因については以下の通り
①脊柱起立筋(特に腰部)の過緊張(筋肉が硬くなること) によって、腰椎が過剰に反る。

⇒腰のあたりにある 脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん) は、背中をまっすぐに保つために働く筋肉です。
ところが、 この筋肉が必要以上に緊張(硬くなる)すると、腰が反りすぎてしまう ことがあります。
②股関節の可動性低下 により、腰部に余計な負担がかかり、腰椎の過前弯を引き起こすことがあります。

⇒股関節の動きが悪くなると 本来動くべき部分が動かず、その代わりに腰が無理に動いてしまいます。
③胸郭の動きの制限 により、腰椎が代償的に過伸展してしまうことがあります。

⇒胸郭(肋骨まわり)は、本来 呼吸や体のねじり動作に関わる部分 です。ところが、デスクワークや猫背の姿勢が続くと 胸郭の動きが硬くなりやすく なります。
すると… 動きの制限を補うために、腰が代わりに過剰に動いてしまいます。
※まとめ
腰椎の過前弯は、脊柱起立筋の過緊張や、股関節及び胸郭(胸のあたり)の硬さから引き起こされる。
わかりやすくお伝えすると、腰は胸と股関節の中間に位置します。
そのため胸椎(胸)や股関節が硬くなってしまうと、中間にある腰に負担がかかりやすくなってしまうというイメージです。

腰椎の過前弯(腰の反りすぎ)の改善法
腰椎過前弯の説明を見て頂くと、脊柱起立筋(腰回りの筋肉)や股関節周囲や胸郭(胸のあたり)をストレッチすれば反り腰は改善できるのでは?と思った方も多いかと思います。

しかし、腰椎の過前弯は、 ストレッチだけでは根本的に改善しません。なぜなら、 筋肉のバランスの崩れ が主な原因だからです。
腰椎の過前弯を改善するために必要なこととは?
「緩める × 鍛える × 習慣づける」 の3ステップが必要!
✅ ① 硬くなった筋肉をストレッチして緩める(過緊張を解消)

これは反り腰改善への第一歩です。硬くなっている筋肉を緩めることができれば、身体の動きはスムーズになり腰椎の過前弯は改善する方向に向かいます。
✅ ② 弱くなっている筋肉を鍛える(姿勢を安定させる)

反り腰の人は お腹とお尻の筋肉が弱い 傾向があり、個人の弱点を評価し強化することができれば、常時負担のかからない安定した姿勢をとることができます。
✅ ③ 正しい姿勢を習慣づける(無意識でも良い姿勢が保てるように)
トレーニングだけでなく、 日常の姿勢 も大事!

例) 立つとき:お腹に軽く力を入れ、背中を反らしすぎない。など初めは日常生活の中でも意識していくことも大切になります。
先にお伝えしたように「緩める × 鍛える × 習慣づける」 の3ステップを踏むことが大切です。
もちろん、反り腰の原因は人によって異なるため、 全員が同じストレッチやトレーニングをしても効果が出るとは限りません。個別にストレッチやトレーニングのメニューを立て、適切に実行していくことが大切です。

今回は反り腰の原因の一つである「腰椎の過伸展」についてブログを書かせて頂きました。
次回はもう一つの原因「骨盤の前傾」について原因と改善法を解説していきたいと思います。
最後に
最後まで読んで頂きありがとうございました!
ピアレスウルフのパーソナルトレーニングでは、「プロアスリートとしての経験」と「理学療法士としての専門知識」を活かして皆様をサポートしています。
お身体のお悩みについては個別に原因を評価し、改善への取り組みを行っていくことが大切です。
公式lineより、お身体のお悩み相談等も受け付けておりますので、DMでお気軽にお問い合わせください。

記事の執筆者
阪本洋平(ピアレスウルフ代表)
・理学療法士
・総合格闘家/初代GRACHANライト級チャンピオン/第二代GRACHANフェザー級チャンピオン
・パーソナルトレーナー
経歴
琉球大学理学部海洋自然科学科生物系卒業。
琉球大学在学時代から総合格闘技のプロ選手として活動を開始。
その後自らの怪我や痛みの原因を知るため、茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科に入学。
在学中も選手としての活動を継続する。
卒業後は理学療法士として茨城県内の総合病院に勤務する傍ら、初代GRACHANライト級チャンピオン(2016年)第2代GRACHANフェザー級チャンピオン(2017年)を獲得。
2023年4月、つくば市松代にキックボクシング・ブラジリアン柔術・総合格闘技ジム「ピアレスウルフ」パーソナルトレーニングジム「ピアレスウルフパーソナル」をオープン
阪本典子(スペシャルアドバイザー)
・医学博士
・大阪市立大学 医学研究科解剖学 博士課程修了
・九州栄養福祉大学 名誉教授
・九州栄養福祉大学 食物栄養学部 食物栄養学科 教授
・近畿大学医学部 学内