
理学療法士×プロ格闘家が解説!歳をとっても動ける体へ!片足立ちで始める一生モノの体づくり

年齢を重ねると、「歩きにくくなった」「つまずきやすくなった」「日常生活で転んでしまう」「膝や腰が痛い」といった悩みを抱える方は多いかと思います。

「筋肉が衰えたからかな?」と思われるかもしれませんが
自己流で下半身の筋力を鍛えても改善しないケースも多くみられます。
加齢に伴って見られる、上記のような悩みの原因に関わっているのが
「股関節の機能低下」です。

「股関節」は動ける身体の土台
股関節は、身体の中で最も大きな関節のひとつで、立つ・歩く・しゃがむ・階段を上るなど
日常のあらゆる動作に関わっています。
股関節は二足歩行の進化の要と言えるのです。

股関節の機能が衰えることで引き起こされるリスク
①転倒・骨折のリスクが上がる
加齢に伴い、中臀筋などの股関節周囲の筋力が低下すると、片足で体を支える際に骨盤が安定しづらくなります。

さらに、年齢を重ねると、筋力の衰えだけでなく、筋肉同士の連携(協調性)やバランスをとるための反応も衰えることで、転倒のリスクはさらに高まります。

ご高齢の方の転倒・骨折の多くは、こうした股関節周囲の筋力・協調性・バランス機能の複合的な低下が原因となっています。
② 腰・膝の痛みが増える
股関節がうまく使えないと、その分の動きを腰や膝が代償するようになり負担がかかります。
これが、慢性的な痛みにつながってしまうケースは多く見られます。

一見関連が無いと考えてしまいそうですが、股関節の機能低下は身体全体に悪影響を与えてしまうのです。
「片足立ち」が股関節強化に有効なメカニズムとは?
立つ・歩く・しゃがむなど、私たちのあらゆる動きの土台になっているのが「股関節」です。
だからこそ、この股関節をしっかり働かせることは、健康な体づくりにとってとても大切です。
では、そんな股関節を、どのように鍛えるべきでしょうか?
股関節を効率よく鍛えるには、「安定性」と「可動性」を同時に高めるために
片足立ちのトレーニングが有効です。

シンプルでありながら、次のような理由から非常に効果的です。
① 中臀筋を効率よく鍛えられる
片足で立つときに骨盤を支える主役が中臀筋(お尻の横の筋肉)です。
ここを鍛えると、歩行時や立ち姿勢で骨盤が安定し、転倒リスクを軽減します。
② 股関節まわりの筋肉を連動させる
片足立ちは大臀筋・腸腰筋・ハムストリングスなど、多くの筋肉が協調して働く動作です。
股関節の「動的安定性」や姿勢保持力を向上させることが可能です。
③ 体重を支える練習になる
歩行中は常に片足で体を支えています。
片足立ちは、歩行に近い「片脚支持”のトレーニング」であり、股関節で体を支える力を養います。
④ 姿勢制御(ヒップ戦略)を鍛える
バランスをとるために、無意識に股関節で微調整をする力(ヒップ戦略)も鍛えられます。
この戦略は加齢によるふらつきや転倒の予防に非常に効果的です。

今日から始める「片足立ち習慣」
片足立ちのトレーニングは、場所も道具も必要ないことから継続しやすいことが特徴です。
1日30秒からでも構いません。

毎日の習慣にすることで、股関節の筋力と安定性が高まり、健康寿命を支える体づくりにつながります。
無理なく、楽しく、できることから始めてみてください!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
ピアレスウルフのパーソナルトレーニングでは、「プロアスリートとしての経験」と「理学療法士としての専門知識」を活かして皆様をサポートしています。
お身体のお悩みについては個別に原因を評価し、改善への取り組みを行っていくことが大切です。
公式lineより、お身体のお悩み相談等も受け付けておりますので、DMでお気軽にお問い合わせください。

記事の執筆者
阪本洋平(ピアレスウルフ代表)
・理学療法士
・総合格闘家/初代GRACHANライト級チャンピオン/第二代GRACHANフェザー級チャンピオン
・パーソナルトレーナー
経歴
琉球大学理学部海洋自然科学科生物系卒業。
琉球大学在学時代から総合格闘技のプロ選手として活動を開始。
その後自らの怪我や痛みの原因を知るため、茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科に入学。
在学中も選手としての活動を継続する。
卒業後は理学療法士として茨城県内の総合病院に勤務する傍ら、初代GRACHANライト級チャンピオン(2016年)第2代GRACHANフェザー級チャンピオン(2017年)を獲得。
2023年4月、つくば市松代にキックボクシング・ブラジリアン柔術・総合格闘技ジム「ピアレスウルフ」パーソナルトレーニングジム「ピアレスウルフパーソナル」をオープン
阪本典子(スペシャルアドバイザー)
・医学博士
・大阪市立大学 医学研究科解剖学 博士課程修了
・九州栄養福祉大学 名誉教授
・九州栄養福祉大学 食物栄養学部 食物栄養学科 教授
・近畿大学医学部 学内